何度同じことを言ってもゲームばかりしているうちの子…。頭ごなしに言っても全く効果なし。一体やる気を引き出すにはどうしたらいいの?とお悩みのママは多いことでしょう。子どものやる気を引き出すためにご褒美作戦はやっても大丈夫なのでしょうか。
「〇〇できたら□□□をあげるよ」というご褒美作戦。
子どもが欲しいものをエサに子どもを動かすという方法ですが、あなたはこのご褒美作戦はよくやるほうですか?
「子どもは欲しいものが手に入る!」
と思うと俄然やる気をだします。
ご褒美の効果は確かに絶大ですから、ついついご褒美作戦を使ってしまう、というママも多いことでしょう。でもご褒美作戦って、本当にいい方法なのでしょうか。一緒に考えてみましょう。
ご褒美作戦はやりすぎると危険
ご褒美作戦は確かに効果的です。
大人も子どももそうですが、目に見える分かりやすいものを見せられると子どもはパッと動いてくれます。
今まであれほど言っても岩のように動かなかったのに、その行動の素早さに感動してしまうかもしれません。「ご褒美作戦ってこんなに効果があるんだ!」と感動すらしてしまいます。
今までの苦労が大きければ大きいほど、その楽さに感激して頼り切ってしまうかもしれません。ただし、効果は一時的と心得ておきましょう。
何度も続くと子どもは当たり前になります。そして最悪の場合、親子の関係がモノを介しただけのコミュニケーションでしか、成立しなくなってしまう危険があるのです。
ご褒美作戦は本当に効果的?
ですからご褒美作戦が当然になってしまってはいけません。子どもの成長過程の中には価値観の育成も含まれます。
価値観とは簡単に言ってみれば、何がよくて、何がダメで…と自分なりに判断することです。
それは決断力にもつながっています。人生の折々にやってくる選択の時。
何を選ぶかは価値観が基準になります。中には一生を左右する選択も出てくることでしょう。
その時に重要な価値観が損得感情しかなかったら、目に見えない大切なものを失ってしまうことにもなりかねないのです。
ご褒美作戦とは条件付きで認められるということ
そもそも「〇〇したら…」というご褒美作戦は、条件付きで子どもを認めるということでもあります。
実はこの条件付け、忙しい現代社会では子どもが物心ついたころから始まっていることがあります。
子どもに良い教育を受けさせたいと考えて、幼いころから英才教育を受けさせるご家庭も多いと思います。
子どものために良かれと思って言っている言葉が、知らず知らず条件を子どもに課していることになっている場合があるのです。
条件付きが多い環境で育つ子どもは、「ありのままの自分」を認めてほしいという欲求を強く持つようになることがあります。
でもどんなに認めてほしくても、家族内では満たされない。
ではどうするか。外の世界に「ありのままの自分」を認めてくれる場所を探すようになります。ネットの世界は子どもにとって手軽にアクセスできる場所です。
親の知らないうちにどんどんのめり込み、犯罪などに巻き込まれてしまうこともあります。
昨今のネットで犯罪に巻き込まれる子どもが増えているのは、そのような背景があるのかもしれません。
実は子どもは、よく分かっている
心も体も成長している真っ最中の子どもには、様々な価値観を身につけさせなければいけません。
それは子どもが大人になって、独り立ちしたときに生きていく土台になって支えてくれ、人間性に厚みを持たせてくれます。
目に見えるものだけで考えて決めるのではなく、目に見えない価値観というものを教えてあげないといけません。
愛情、友情、信頼関係、そういった目に見えないものもこの社会で生きていくためには大切です。
子どもも学校や友人関係という家庭以外の社会を持っていますから、モノだけを介したコミュニケーションは軽蔑されたり、したりする経験を少なからずしているので、
「モノだけでのやり取りはあんまりいいことではない」
と分かっていることが多いのです。でもそれをいちばん信頼すべき親がやり続けてしまうと、親に対しても信頼感が失われる危険があります。
そうすると親を軽蔑するようになります。そうなってしまうと、ご褒美作戦は変わらず効果があったとしても、親子関係は冷え切ったものになるでしょう。
ご褒美作戦は親も子も遊びと心得る
効果が絶大なご褒美作戦ですが、親がご褒美作戦に依存すると知らないうちに子どもに寂しい思いをさせてしまうことがあり、親子関係が悪化する可能性もあることを覚えておきましょう。
しかし、ご褒美作戦は使い方によっては親にとっても子どもにとっても楽しいものになります。
そうするためには年に数回程度で“イベント”や“ゲーム”と割り切って親子で楽しむのがいちばんいいでしょう。
イベントやゲームであれば、真剣になりすぎることもなく、結果に真剣に悩むこともありません。ご褒美をあげる親も、もらう子も楽しめるからいいですよね。ご褒美作戦は上手に利用して、より良い親子のコミュニケーションのきっかけにしましょう。
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