すぐに人を叩いてしまう子どもの気持ちとはどんなもの?その時親はどうすればいい?

子どもが大きくなっていくにつれて、自我が目覚め、要望も主張するようになります。幼稚園や学校でお友達を叩いてしまってトラブルになってしまった…という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。子どもがすぐに人を叩いてしまう理由はどんなものがあるのでしょうか。

「今日、お宅の〇〇ちゃんがお友達とけんかになって叩いてしまいまして…」という幼稚園や学校の先生から連絡。ドキッとしてしまいますよね。「本当にうちの子が?」と信じられない気持ちかもしれません。

理由は何であれ、人を叩いてしまうのは良いことではありません。でもだからといって問答無用できつく子どもをしかりつけるのは逆効果です。

子どもが人を叩いてしまう理由にはどんなものがあるのでしょうか。改善方法や子どもの気持ちを探ってみましょう。

すぐに「死ね!」と叫び、相手を叩いてしまう男の子

これは中学一年生のある男の子の話です。S君としましょう。S君は学校ですぐに「死ね!」と口にし、手も足も出てしまうのも珍しくないのでクラスメイトから嫌がられていました。

授業中に先生が前で話していても先生の話に割って入ろうとします。これは一種の問題行動ととられますが、S君にはこのような行動をとってしまう理由がありました。

彼は何か思って言葉に出そうとしても言葉をすぐに出せないのです。何か言おうとしてもすぐに言葉が出ないため、幼いころから友達に馬鹿にされることがよくありました。

そこで、S君は簡単に口に出せて、すぐに相手に刺さる言葉を無意識に探したのです。その結果たどり着いたのが「死ね!」でした。そして相手に馬鹿にされてはいけないと、もっと頑張ったS君は小さな体で暴力にも出てしまっていたのです。

「どうせ自分の言葉には耳を傾けてもらえない…」と思うとどうなるか

S君はなぜすぐに言葉が出なかったのでしょうか?

吃音の傾向もありましたが、彼の成育歴を見ていくと、親とのコミュニケーションがうまく取れていないようでした。

共働きで忙しい家庭だったようで子どもと時間を取ってじっくり話す機会が取れにくい状況だったようです。だからどうしても急かしてしまう。

ママとおしゃべりしたい時も、「早く言いなさい!ママは忙しいんだから!」と言われてしまい、「じゃあ後で…」となり忘れられてしまう。

そのようなことが幼い時に重なると、“自分は親に耳を傾けてもらえない”=親にとって価値のない存在という認識が育ちます。 

そしてそのまま放置されると自己価値が低下し、自分に自信が持てない子になってしまうのです。それは子どもにとって耐えがたい苦痛です。

苦痛を抱えたままではいられないので、暴力などとなって自分の存在を主張することにもつながっていくのです。ちなみにS君は実はとてもお勉強がよくできました。その後、有名国立大学に進学したそうです。

黙って子どもを待つことで伝わるメッセージ

子どもは親のことが大好きです。その親に耳を傾けてもらうことで、大切にしてもらっている=認めてもらっているという認識が育ちます。

だからどんなに忙しくても子どもが何か言いたいことがあるときは耳を傾けてあげたいものです。その際に大切なのは、上手に言えないとしても急かさないことです。

とつとつと話すかもしれません。長い長い沈黙があるかもしれません。でも、それは言葉を探しているのです。どの言葉を選んだら大好きなママにちゃんと伝わるかな…と。

だからその沈黙の時間は手を握ったり、肩を抱くなどして、スキンシップを楽しみながら言葉を待ちましょう。それは無言のメッセージになります。

「ママはあなたのことを待っている」
「ママはあなたのことを大切に思っているのよ」と。

待ってあげることで言葉が育つ

言葉を使い始めた時からよくコミュニケーションをとり、子どもの言葉を待ち、反応をしてあげることで話すことの意義を体感させることはとても大切なことです。

子どもにとって身近な大切な存在が待つことで、子どもは今の自分の気持ちにふさわしい言葉を探そうとします。

そうすると無意識に文字や言葉を増やそうとしていきます。これは国語力にもつながります。大人もそうですが、人は自分の中にある気持ちに言葉を与えると安心するのです。

ずっとこの気持ちが何だろうとモヤモヤしているのは嫌なものです。でも誰かにその気持ちを代弁してもらったとき、すっきりしますよね。

幼い子どもの気持ちに言葉を与えてあげることも親の大切な役割なのです。

“待つ”という無言のメッセージを大切に

子どもが言葉を使い始めたら、内容の有無にかかわらず周りの人はしっかり反応をしてあげることで、自分は大事な人たちに尊重してもらっていると感じさせることが大切です。

すぐに言葉が出てこない時は急かさず、待ってあげましょう。

正確に伝えられなくてもどかしい思いをしているのは子どもの方なのです。だから忙しくても子供と向き合う時間をしっかり持つことが大切です。

待ってもらえる=自分を尊重してもらっている

もっとちゃんと伝えよう、大好きなパパママとコミュニケーションを取ろうと自然に言葉を身に着けようとするようになります。沈黙の時間も大切なメッセージになります。

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