三浦しをんさんのおすすめ小説4選・豊かな色彩を持つ作品たち

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本記事では、三浦しをんさんのおすすめ小説を4作品ご紹介します。

娯楽色の強い小説から、お仕事小説、純文学の香りがただよう小説まで、幅広い作品を発表している三浦しをんさん。
その一筋縄ではいかない魅力が伝わるよう、おすすめの4作品を選びました。

作家によっては、〇〇作家(SFだったりミステリーだったり)と、小説のジャンルに応じて呼ばれたりもします。

しかし、三浦しをんさんはどうでしょう。
直木賞を受賞したこともあり、娯楽・大衆小説のイメージが強いのかもしれませんが、そう簡単には割りきれません。

三浦しをんさんプロフィール

1976(昭和51)年9月23日、東京都出まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
ユニークなお名前は本名で、お父様は文学研究者の三浦佑之さんです。

2000年、ご自身の就職活動の経験をもとに書いた「格闘する者に〇」で作家デビュー。2005年「私が語りはじめた彼は」で山本周五郎賞候補に、「むかしのはなし」で直木賞候補になりました。そして、2006年「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞受賞。2012年「舟を編む」で本屋大賞受賞。2015年「あの家に暮らす四人の女」で織田作之助受賞。

新しいジャンルを開拓しつづける三浦しをんさん

エッセイでは『腐女子』ぶりやダメっぷりを披露して、おおいにわたしたちを笑わせてくれる三浦しをんさん。

しかし、本業の小説の世界では、まったく違う顔を見せてくれます。ときには笑わせ、ときにはほっこりさせ、そして、ときにはぞっとさせるのです。

1、政と源

映画やドラマにもなった「まほろ駅前多田便利軒」シリーズと同じく、男性のバディものです。

といっても、こちらの主人公たちは、御年73歳のおじいちゃんふたり。東京の下町・墨田を舞台に、ふたりの老人が活躍する人情物語です。

豪快なつまみかんざし職人の源こと源二郎と、生真面目な元エリート銀行員の政こと国政。幼なじみのふたりには、仲がいいとか悪いとか、そんなものを超越した絆があります。

源は妻を失くして、政は妻に家出をされて、ある意味シングルのふたりは、ごく自然に日常を共有しています。

「歳を取るって悪くないんじゃない?」と思わせてくれる小説です。

2、秘密の花園

マンガに少女マンガというジャンルがあるとすれば、こちらは少女小説。名門の私立女子高校に通う、女子高生を主人公にした、3作からなる連作集です。

とはいえ、小説で描かれる女子高生たちの世界は、決して、甘く美しいだけの花園ではないのです。

3人の少女たちには、それぞれ胸に秘めた秘密があります。少女たちは純粋で、繊細で、危うく、痛々しく、残酷です。

10代の少女たちだけが持つ、静謐な世界というものが、たしかにあるのでしょう。三浦しをんさんは、その一瞬を、この小説で見事に切りとっています。

男性からすると「知りたくなかった…」という部分もあるかもしれませんが……。

3、あの家に暮らす四人の女

男抜きで、女だけで楽しく暮らせたら……と思ったことはありませんか?

この小説では、一軒家の『あの家』で、母と娘、娘の友人、そして娘の友人の同僚という、4人の女性たちがいっしょに暮らしています。

実の母娘を中心に、赤の他人が集まって生活しているさまは、シェアハウスのようでもあります。

母娘でも、友人どうしでも、彼女たちはベタベタとなれ合うような関係ではありません。自分たちの足できちんと立って生きている、大人の女性たちです。

3人称で語られている小説かと思いきや、途中で、隠れていた語り手が登場します。この『トリック』を知れば、最初から読みかえしたくなるのではないでしょう。

4、月魚

BL(ボーイズラブ)小説好きな著者らしい、BLの耽美な雰囲気がする小説です。

主人公の男性は古書店の店長なので、古書(古本とは、ちょっとニュアンスが違うような)の世界を知ることもできます。そういう意味では、お仕事小説としての一面もあるといえるでしょう。

骨董品のように、古書の鑑定にも、目利きの才能が必要です。その才能のせいで起きた、過去のあるできごとが、主人公ふたりのトラウマとなっています。

危うい距離を保ちつつ、やがてふたりは、その傷から再生していきます。

夏の幻のような、現実と異世界が混じりあうような、幻想的な光景が目に浮かんでくる小説です。

次はどんな世界を見せてくれるのか?

今回はご紹介できませんでしたが、三浦しをんさんといえば、マイナーな職業にスポットをあてた、お仕事小説も執筆しています。

辞書編さん(「舟を編む」)・林業(「神去なあなあ日常」「神去なあなあ夜話」)・文楽(「仏果を得ず」)・文芸翻訳家(「ロマンス小説の七日間」)などなど。

次は、どんな小説で、わたしたち読者を楽しませてくれるのでしょう。

本記事では、小説に限定して、おすすめ4作品をご紹介しました。多彩な世界を持つ、三浦しをんさんの小説たちを、ぜひ楽しんでください。

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