働くあなたにおすすめしたい・女性が主人公のお仕事小説10選

本記事では、働く女性を主人公にした、日本のお仕事小説10冊をご紹介します。主人公たちの仕事もさまざまですが、小説の舞台となる仕事場も、遠くフィンランドの食堂から日本の自宅まで、バリエーション豊富にチョイスしました。

好きな仕事に就いていても、やる気に満ちあふれていても、トラブルや(ときには女ゆえの)壁があったりして、現実は思うようにはいかないもの。「もう仕事行きたくない…」と思った経験は、誰しもあるのでは?

そんなとき、小説の世界で働く女性たちから、エネルギーやヒントをもらってみてはいかがでしょう。

「これってわたし!?」そんなキャラクターに出会えるかも

「小説なんてしょせんフィクション」と言ってしまえばそれまでですが、だからこそ描ける『真実』もあるのかもしれませんよ。「わかる!」「いるいる、こんな人」と思わず共感してしまう作品に出会えることも。食わず嫌いせずに、どうぞおひとつ試してみてください。

1.「かもめ食堂」群ようこ

映画「かもめ食堂」は、日本での北欧ブームの火付け役ともいわれる有名な作品。小説では、主人公がなぜ、どうやってフィンランドで食堂をオープンするにいたったかも書かれています。ビジュアルが美しい映画とは一味違う空気感が、小説には漂っています。映画を観ていないひとも、小説だけで楽しめます。

2.「やってられない月曜日」柴田よしき

タイトルだけで満足してしまいそうです。主人公が働いているのは大手出版社。といっても、部署は華やかなファッション誌の編集部なんかではなく、経理部。それなりに不満があって、でも、それなりに満足もしていて…。そんなふうに感じながら暮らしている人って、多いんじゃないでしょうか。平凡だっていいじゃない。そう思わせてくれる作品です。

3.「くうねるところすむところ」平安寿子

酔ったはずみで建築現場に入りこんだ主人公が、そこで出会った男性に恋をして、彼を追いかけて工務店に転職します。工務店で社長を務めているのは、バツイチ女性。建設業界という男社会で奮闘する彼女たちの姿に、パワーをもらえます。家づくりの裏側を見られるのも面白いところ。

4.「とにかくうちに帰ります」津村記久子

お仕事小説となると、この作家を忘れてはいけないでしょう。作家デビュー後も会社勤めをつづけているという著者だけに、職場の描写がリアル。ドラマチックな事件なんて起きませんよ。平凡な日常にひそむ、ささやかなモヤモヤをすくい取って、ことばにして、わたしたちにそっと差し出してくれる。そんな短編集です。

5.「沖で待つ」絲山秋子

2編の中編からなる作品ですが、表題作の「沖で待つ」では、同期入社した男女の『同期入社愛』が書かれています。いっしょに新人研修を受けたりして、社会人1年目をともに過ごした相手とは、同級生とも同僚とも違った絆が生まれるような気がしませんか? これを読めば、仕事仲間がちょっと愛おしく思えるようになりそうです。

6.「私にふさわしいホテル」柚木麻子

小説家を目指す主人公が、あの手この手を駆使して、のし上がっていく下剋上お仕事小説。ポイントは主人公のなりふりかまわぬ、やりたい放題ぶり。やや現実離れしていて、いろいろツッコミどころもありますが、なにがなんでも夢を叶えようとする主人公のハングリー精神には脱帽です。

7.「和菓子のアン」坂木司

主人公は、デパ地下の和菓子屋さんで働きはじめたばかり。和菓子にからんだ日常の謎を解いていく短編集です。たとえるなら、主人公はワトソンで、名探偵ホームズは店長の女性。和菓子にもちょっと詳しくなれますし、洋菓子派の人も、読めば和菓子が食べたくなること、うけあいです。

8.「絶対泣かない」山本文緒

これぞお仕事小説、といっていいのではないでしょうか。実に15もの仕事(専業主婦もふくめて)が登場する短編集です。転職を考えている仕事が登場していたら、読んでおいたほうがいいかもしれませんよ。仕事に悩んだり疲れたりしているとき、弱音を吐きたくても吐けないとき、読んでみてほしい作品です。

9.「ガール」奥田英朗

女性主人公のお仕事小説をご紹介するからには、この作品ははずせないでしょう。映画化もされた、直木賞受賞作家による短編集です。主人公たちは「わたしはまだガールでいられるの?」という微妙なお年ごろの女性たち。勧善懲悪とでもいいたくなるような、すっきりした読後感が得られます。

10.「ロマンス小説の七日間」三浦しをん

林業や辞書編さんなど、さまざまな仕事にまつわる作品を書いている著者ですが、女性主人公ということで、こちら。主人公はロマンス小説を翻訳中の翻訳家。恋人とのイライラを仕事にぶちまけて、原作とまったく違うストーリーを翻訳の原稿に書きはじめます。現実とロマンス小説、ふたつのストーリーが同時に楽しめます。

まとめ

楽しいだけの仕事も、苦しいだけの仕事もきっとないはず。つまるところ、自分の気持ち次第なのでしょうね。
知らない仕事の裏側をのぞき見したり、疑似体験したりできるのも、お仕事小説の面白さ。「わたしならどうするだろう?」と考えながら読むもよし、無心に読みふけるもよし、あなたのスタイルで小説の世界を味わってみてください。
いままで知らなかった仕事について知ることが、あなたをちょっぴり豊かにしてくれるかもしれませんよ。

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