白髪が気になるようになると、手っ取り早く染めてしまうのが楽ちんですね。しかしドラッグストアのヘアカラーの陳列棚を見ると、黒髪用のオシャレ染めと白髪染めが置いてあります。
数本しか白髪が生えていないのに白髪染めを買ってもいいのか迷ったり、中には「白髪染めを買うのに抵抗がある・・・」という人もいるでしょう。
実際、オシャレ染めで白髪をきれいに染めることはできるのでしょうか?そのほかにも、白髪がどれくらい増えたら白髪染めを買うべきなのか、わからないことは意外とあります。
今回はオシャレ染めと白髪染めの選ぶポイントをはじめ、カラーを長持ちさせる方法などをご紹介します。
白髪染めとオシャレ染めはどう違う?
まずは、白髪染めとオシャレ染め双方の特徴についてお話していきます。
オシャレ染めも白髪染めも同じヘアカラーの一種
白髪染めもオシャレ染めも、一度髪を脱色してから染色する「ヘアカラー」の一種。
違いは、元の髪色を抜く「ブリーチ力」と髪に色を入れる「染毛力」のバランスなのです。
オシャレ染めの特徴
日本人の髪色は黒に近いため、そのまま色を入れても見えにくくなってしまいます。例えば黒い紙にカラーペンで絵を描いても、はっきり色が見えませんよね。
そのため黒髪用のヘアカラーは、元の髪色を脱色してから染料を入れるのですが、髪の色を抜くブリーチ力はとても強く、染毛力は弱めです。
ブリーチは髪を染める際に最も髪を痛めるものなので、オシャレ染めは白髪染めより髪や頭皮への刺激が強いというデメリットがあります。
白髪染めの特徴
白髪はもともとに色が入っていない状態なので、白髪染めはオシャレ染めよりブリーチ力が弱く、その分染毛力が強くなっています。
オシャレ染めと違う点は、色味がブラウンベースになっているという点です。白髪の混じった髪の毛を染めるときは、黒髪を脱色しながら色を入れ、白髪には色を入れるという作業を同時に行っているので、白髪をしっかり染め、かつ黒髪と自然になじませるためにブラウンベースになっています。そのためオシャレ染めよりも染めても髪色が明るくなり辛くなります。
オシャレ染めで白髪はキレイに染まらない
「じゃあオシャレ染めで暗めの色に染めるのでもいいの?」と思うかもしれませんが、結論から言うとオシャレ染めでは白髪はきれいに染まりません。その理由は、オシャレ染めは染毛力が弱いからです。
白髪に使うと白髪の部分だけあまり染まらず浮いてしまうこともあるので、白髪が目立って来たら白髪用の製品を使うようにしましょう。
白髪が出てきた!髪を染めるときはどちらを選ぶべき?
白髪が少ししかない場合、「まだ白髪染めは早い気がする…自分はどちらがいいんだろう」と迷うこともありますよね。
選ぶときのポイント
オシャレ染めから白髪染めに移行するときのチェックポイントは次の3点です。
白髪が生えている割合
白髪がまだ数本しかないという場合は、オシャレ染めを使っても白髪を十分カバーすることができます。白髪染めを使うタイミングは、「髪の毛の全体に対して、白髪の量が2割程度になったら」という目安があるといわれています。
白髪が増えてくると、白髪染めの方がキレイに仕上げられるので、ある程度白髪が目立ってきたと感じたら白髪染めを検討してみてくださいね。
白髪が生えている場所
白髪染めを使うタイミングの1つに、「表面の目立つところに白髪が生えているか」で判断する手もありです。
白髪が生える場所は、生え際が多かったりフェイスラインが多かったり、全体的にまばらだったりと、人によって様々。中には表面にはあまりなく、髪をすくって内側など目立たない所に白髪が生えているという人もいます。こうした人は使わなくてもいいかもしれません。
ただ普段髪を結んでいるという人は、髪を下している時だけでなく、例えばうなじ付近など、結んだときに見える場所に白髪があるかも確認した方がいいですね。
なりたい髪の明るさ
先ほどお話ししたように、白髪染めは白髪を馴染ませやすくするためオシャレ染めのように明るく染めることが難しいです。そのため、明るい色に染めたいという人はオシャレ染めを使うのも一つの判断基準になります。
ただオシャレ染めは白髪染めより染毛力が弱く、白髪がきれいに染まりにくい欠点もあるので、白髪が多くなってきた人にはあまり向いていません。
白髪をきれいに染めるポイント
せっかく染めるのなら、少しでもムラなくきれいに染めたいですよね。ここでは自宅で染めるときのコツや、染めた後の正しいケアの仕方についてお話しします。
自分の髪質はどっち?商品の選び方
髪質によって白髪染めの仕上がりは異なります。染めた後きれいな髪をキープするためにも、自分がどのタイプか見極めることが大切です。
軟毛と硬毛の見分け方
自然に抜けた髪を1本用意し、軽く一つ結びにします。手を放したときに、すぐほどけてしまったら「硬毛」、結ばれたままだったら「軟毛」です。他にもクセが付きやすいと軟毛で、クセが付きにくかったら硬毛など、いろいろな見分け方があります。
軟毛は染まりやすく、黄味がきれいに染まる
軟毛は硬毛と比べて染まりやすい特徴があります。また、黄色系の色がきれいに染まりますが、赤味に染めると色モチが悪いといわれています。
明るい色に染めたい場合は希望通りの色で大丈夫ですが、ダークカラーに染めたい場合は、希望よりもワントーン暗めのものを選びましょう。
硬毛は染まりにくく、赤味系の色がうまくなじみやすい
硬毛は軟毛よりも染まりにくいですが、赤味のカラーを選ぶと黒髪ともなじみがよく、特にきれいに染まります。ただ、黄色系は染まった感じが分かりにくいので、控えた方がベターです。
ダークカラーに染めたいときは希望通りの色を選び、明るい色に仕上げたいときは、希望よりワントーン明るいものを選ぶのがお勧めです。
また硬毛は染まりにくいので、所定時間より5分から10分ほど長く放置するのがいいでしょう。ただし、放置すればいいものではありません。
カラーリング剤は頭皮にダメージを与えてしまうので、延長しても所定時間+10分ほどにしましょう。
室温はやや暖かめに設定する
染めるときは部屋の温度もチェックしましょう。大抵の白髪染めは、室温20~30℃の環境を勧めていますが、室温は高い方が白髪染めの反応が早まり、よく染まります。
美容室で染めるときは、機械を使って髪を温めますよね。自宅で染めるときは、ドライヤーの温風をまんべんなくあてたり、シャワーキャップを被った上からホットタオルをまくのもいいでしょう。
ただし室温が30℃以上など暑すぎる場合は、髪に必要以上に薬剤が浸透してしまい、予想以上に濃い仕上がりになるので注意が必要です。
染めた色を長持ちさせるために正しいケアを
染めた色をどれだけ長持ちできるかは自分のケアにかかっています。
まず気を付けたいのがシャンプーの仕方。シャンプーを直接頭皮に乗せてから泡立てると頭皮のダメージが大きくなりますし、洗浄力が一番高い状態なので髪の色が流れやすくなってしまいます。
なるべく手である程度泡立ててから頭に乗せ、頭皮を中心に洗うようにしましょう。また市販されているシャンプーは石油系界面活性剤が使われていることが多いのですが、これは洗浄力が高い成分です。低刺激なアミノ酸系洗浄成分が入ったシャンプーを選ぶようにしましょう。
このほか、トリートメントは毎日行うことが大切です。髪の毛にしっかり栄養を与え、キューティクルを保護してあげることで、カラーの持ちはだいぶ違いますよ。
まとめ
これまで白髪染めとオシャレ染めの違いや、白髪染めを長持ちさせる方法などについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?
オシャレ染めしていた時と違って、白髪染めはどのタイミングで使えばいいのか分かりにくいですし、せっかく染めたのに1か月後にはまた白髪が目立ってきたという困った点もありますよね。
白髪染めを使う一番のタイミングは、どうしても白髪が目立って気になる、少しでも目立たなくしたいと思ったときです。もし判断が難しかったら、美容師さんに聞くのもいいですね。
白髪染めを使った時には、毎日の正しいケアで少しでもカラーリングを長持ちさせてくださいね。