お肌の大敵、紫外線。皆さん、紫外線からお肌を守るために日焼け止めクリームや夜のローションパックなど、日々様々な努力をされていることでしょう。
しかし日傘を忘れて街中を歩いたり、レジャーで開放的な気分になり、つい無防備になったりと、うっかり日焼けをすることもありますよね。
そんな時、けがや病気じゃないからと軽く考えてはいませんか?でも、日焼けは火傷の一種なんです。
火傷にはどんな種類があるの?
火傷にも次のようにいろいろな種類があります。
通常熱傷(温熱火傷)
一般的に「火傷」と言われているものです。熱湯や熱した油による火傷です。
低温熱傷
カイロなどによく「低温火傷に注意。」と書いてありますね。低温の熱源に長時間触れることで 深部の組織に重度の炎症を起こします。
化学熱傷
強い酸やアルカリなどの化学薬品に触れると、組織が破壊されます。
電気火傷
体に電流が流れることで、皮膚の表面や内部の組織に損傷が起きます。
気道熱傷
高温の蒸気などを吸うことで起こる気道の火傷です。
放射線熱傷
放射線を浴びることによる火傷です。日焼けはここに入ります。紫外線は見えないし、熱くもないので、それほど危険だとは感じられないかも知れませんが、化学熱傷や電気熱傷と同じく皮膚の組織を破壊してしまうことがあるので、軽く見ないようにしましょう。
日焼けの2つの種類とそれらがもたらす悪影響
サンバーン
地上に届く紫外線にはUVA(A波)とUVB(B波)の2つがありますが、サンバーンは波長が短い方のUVBによって引き起こされます。
皮膚が赤くなり、ヒリヒリとした痛みやほてりを生じます。受けた紫外線が多量の場合は水ぶくれになったり、発熱や頭痛が起きることもあります。正式な病名は「日光皮膚炎」と言います。
皮膚の色に大きく関わるメラニンという色素がありますが、このメラニンには紫外線から肌を守る働きがあります。メラニンが少ない色白の人は紫外線によるダメージが大きいので、特に日焼け対策に気を配る必要があります。
また、皮膚がんの大きな原因は紫外線、特にUVBと言われています。UVBは、皮膚の表面から吸収されるときに直接DNAを傷つけ、細胞にダメージを与えます。
ダメージが繰り返されると、やがてDNAの突然変異が起こり、皮膚がんに発展することもあるのです。
サンタン
これは波長の長いUVAによるもので、黒くなる日焼けです。サンバーンのように痛くなることはありませんが、肌の奥まで入り込み、時間をかけてコラーゲンを破壊してゆくのです。そしてシミやしわ、たるみの原因となります。
UVAはオゾン層を通過しやすいので、曇りの日でも私たちの上に降り注いでいます。ガラスも通過するので、部屋の中にも入ってくるのです。何とUVBの20倍以上もの量が地上に降り注いでいると言われています。
日焼け後の4つの正しいケア
1.水で冷やす
まずは日焼け止めや化粧をクレンジングでやさしく落とし、水をかけて冷やしましょう。
全身日焼けした時は、冷たいシャワーを浴びたり水風呂に入って冷やしますが、あまり長い時間浸かっていると、体の内部まで冷やしてしまうので気をつけましょう。その後は濡れタオルをあてておきます。
保冷剤は直接肌に当てると低温火傷になってしまうので、タオルでくるんでください。
2.保湿する
しっかりと肌を冷やした後は、たっぷりの化粧水で保湿しましょう。
レジャーなどに出かける日は朝から化粧水を冷蔵庫で冷やしておくと効果的です。但し、美白化粧水など、強い成分が入っているものは厳禁です。
また、刺激をなるべく抑えるために、化粧水はパッティングではなく、手のひらで頬を包み込むようにしてやさしく入れてあげましょう。もし、化粧水をつけてヒリヒリした時は使うのをやめましょう。
その後は美容液などいつものスキンケアは控えて乳液でふたをするくらいにしましょう。
もしヒリヒリが治まらない時は皮膚科を受診するか、薬局で相談して軟膏を購入しましょう。軟膏の中にはステロイド剤が入っているものもあり、余計ダメージを大きくすることがあるので、自分の判断で選ぶのは危険です。
また唇も日焼けし、腫れることがあります。そういう時は唇パックがおすすめです。オリーブオイルやアルガンオイルなどを唇に塗り、5~10分間ラップで覆っておきます。
3.水を多めに飲む
日焼け後は体内も乾燥しています。外側のケアだけでなく、こまめに水分補給を行うことで内側のケアもしましょう。
4.早く寝る
日光は体力も奪います。また目にも大きなダメージを与えますので、なるべく早く寝て、体力と体の機能の回復に努めましょう。
熟睡することで美容効果が上がり、肌の修復も早まります。
5.ひどい時は病院を受診する
もし、水ぶくれがひどかったり、ほてりが鎮まらないような時は、「このくらい。」と思わずに皮膚科を受診しましょう。
日焼け予防におすすめの6つの食べ物
日焼け予防のために、日々スキンケアに励まれていることでしょうから、ここでは内側からのケアとして、おすすめの食べ物についてご紹介します。
イチゴ
イチゴにはビタミンCが豊富に含まれています。その量はレモンの2倍ほどです。ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、はりのあるお肌を作ります。
またシミやソバカスの原因となるメラニンの生成を防ぎ、美白の効果も期待できます。それからイチゴに含まれるポリフェノールの一種であるエラグ酸にもメラニンの生成を抑える働きがあります。
朝食にイチゴを2~3個食べるのはとてもおすすめです。
ビタミンCは熱に弱いので生でそのまま食べるか、刻んでフルーツソースにしてヨーグルトにかけてもいいですね。また、ヘタを取ってから洗うと、そこからビタミンCが流出してしまうので、へたがついた状態でさっと水洗いをしましょう。
ブロッコリースプラウト
緑色の野菜には、ビタミンA、C、Eが豊富に含まれていますが。特にブロッコリースプラウトには皮膚がん予防に効果があるとされるスルフォラファンという栄養素が多く含まれています。
サラダに入れたり、お刺身のつまやカルパッチョにしたりと、工夫して食卓に取り入れましょう。
トマト
トマトにはリコピンが豊富に含まれることはご存じですよね。
リコピンとは赤い果物や野菜に含まれる色素のことで、太陽から植物を守る働きがあります。トマトなど、赤い色の果物や野菜を摂取することで日光に対する耐性を上げることができるのです。
トマトを加熱するとリコピンが増加するので、トマトシチューやトマトソースのパスタなど、日焼け予防のためには、トマトを調理して食べることをおすすめします。
青じそ(大葉)
にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜にはベータカロテンが豊富に含まれていることが知られていますが、何と青じそにはにんじんやかぼちゃよりも大量のベータカロテンが含まれているのです。
ベータカロテンは体内で必要量に応じてビタミンAとなり、他の栄養素の働きを助けます。抗酸化作用もあり老化予防にも効果の高い栄養成分です。
ベータカロテンは熱に強く、油とともに摂取することで吸収率が高まります。魚や肉を青じそで巻いて揚げると、くせのないさっぱりとした味になるうえにベータカロテンをたくさん摂取することができるのでおすすめです。
また、しそにはビタミンCも豊富に含まれています。
ザクロ
ザクロに含まれるエラグ酸はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち、シミ・そばかすの原因となるメラニン色素の沈着を防ぐ働きがあります。
ザクロは少し高価ですが、数週間から一ヶ月程度は冷蔵庫で保存できますし、冷凍も可能です。ジュースにしたり、種をサラダやデザートのトッピングに使ったりと様々に工夫して、日常の食生活に取り入れましょう。
緑茶
緑茶にはビタミンCやベータカロテンなど美肌効果の高い栄養素が豊富に含まれています。しかも緑茶に含まれるビタミンCは熱に強く、80度でも壊れない性質を持っています。
また緑茶に含まれるカテキンには、ビタミンEのおよそ50倍もの抗酸化力があり、高いアンチエイジング効果が期待できます。
日焼け予防のために気をつける食べ物は?
柑橘類
レモンやオレンジなどの柑橘類はソラレンという光毒性物質を含んでいます。光毒性物質とは、光を浴びると紫外線に過敏に反応し、肌にダメージを与えてしまう物質のことです。
柑橘類はビタミンCが豊富だからと、朝、出かける前に食べるのは危険です。ソラレンはきゅうりやセロリなどにも含まれていますので、朝のサラダには控えた方がいいでしょう。
しかし、ソラレンの働きは、摂取してから2時間程でピークを迎え、その後は徐々に衰えていきますので、柑橘類やきゅうり、セロリなどは夕食時やデザートとして食べるのがおすすめです。
砂糖
砂糖は体内で消化されグルコースになります。グ
ルコースはタンパク質と結合し、さまざまな反応を繰り返して、最終的にコラーゲンを破壊する物質に変わります。そして肌を老化させ、たるみやくすみなどの原因になるのです。
甘い物はおいしいし、幸せな気分にさせてくれますが、ほどほどにしましょう。
外からと内からのダブルケアで、日焼けを防ぐ毎日を
いかがでしたか?「日焼けくらい」と軽く考えていると、後悔することもあるのです。お肌のケアと食べ物、ダブルのケアで、まだまだ暑い日々を乗り切り、あなたのお肌の美しさを守りましょう。