思春期ニキビと違って大人ニキビは単なるニキビケアだけでは、関知することが難しいニキビです。
きちんと治すためには表面からのケアと、内側からの治療が必要です。その内側の治療の1つとして、ホルモン療法があります。
しかし、ホルモン治療にはメリットもあれば、デメリットも存在します。
治療を行う上でのリスクも把握して、自分のニキビ改善に本当に必要なのかということを考えていきましょう。
ホルモンとニキビの関係
男性ホルモンとニキビには深い関係があり、男性ホルモンが増加すると、角化細胞が増殖し皮膚の柔軟性が失われてしまい、ターンオーバーが正常に行われません。
すると、角栓が毛穴を塞ぎニキビとなります。
反対に女性ホルモンを増やすと、男性ホルモンの働きを抑えることができ、ニキビの予防や改善効果が期待できます。
ホルモン治療って何?
ホルモン治療は女性ホルモンを投与し、男性ホルモンの働きを抑えることで、ニキビの予防や改善を効果的に行う治療法です。
皆さんが聞いたことがあるものでは、避妊薬で有名なピルや、エストロゲン様作用のあるイソフラボンなどを摂取して、女性ホルモンを増やす治療が行われていきます。
ニキビのホルモン療法の薬剤
主にピルが用いられており、ホルモン治療用のダイアン35、イソトレチノインといった薬品がニキビ治療に使用されています。
また、外用薬による局所ホルモン治療もあり、女性ホルモンを含んだ軟膏を、ニキビの出ている箇所に使用して治療を行います。
ホルモン治療(ピルなど)がニキビに効く
ピルを服用すると、体の中の女性ホルモンの量を変化させて、絶妙なホルモンバランスの乱れを起こし、男性ホルモン作用が減少します。
その結果、皮脂分泌が減少し、ニキビが発生しにくい肌環境を作ることができます。
また、ピル以外にもスピロノラクトンという飲み薬を飲むことで、男性ホルモンを抑えニキビを発生しにくくすることができます。
ピルを使用してもニキビが改善しない場合、追加でスピロノラクトンを使用して治療を行うことも多いです。
ピルでもくり返す大人ニキビ解消の秘訣とは?
ピルによってホルモンバランスを調整して皮脂を抑制出来たとしても、ニキビ跡などが残ってしまっては、ニキビを改善したと言えません。
原因の一部に対する治療では意味がなく、全てに対してニキビ発生の要素を解消していかなければなりません。
ホルモン治療とは?ホルモン治療のメリット・デメリット
メリット
即効性と高確率で効果が見込めます。直接女性ホルモンなどを補うため、男性ホルモン過多による大人ニキビなどを予防、そして改善するための即効性は他の方法よりも早いです。
デメリット
副作用の心配があり、頭痛や乳房のハリや痛み、不正性器出血、癌へのリスクなどが挙げられます。
医師と相談し、本当にニキビ治療に必要かどうか、総合的に判断する必要があります。
ホルモン治療が身体の機能を低下させる
ホルモン治療は女性ホルモンを投与し、ホルモンバランスを整えますが、もともと人間の体に備わっている調整機能により、本来足りていない女性ホルモンの分泌を抑制し、衰退させてしまうリスクがあります。
ホルモン治療以外にもあるホルモンバランスを整える効果的な方法
ホルモン治療以外には、漢方やサプリメント、生活習慣の見直しでホルモンバランスを改善する方法があります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、ホルモン治療を行う前に、自分にはどの方法が合うのか検討してみましょう。
もっとピルについて知りたい方へ
ピルによってニキビができづらい状態となっていましたが、服用を辞めることで元の状態になるため、再発させないためにも注意が必要です。
いきなりピルの服用を辞めるのではなく、ホルモン治療と角質・皮脂対策のケミカルピーリングなどを併用したり、ホルモン治療をやめても、しばらく角質・皮脂対策は継続するという風に、徐々にホルモンバランスを慣らしていくと、ニキビの再発を防ぐことができますのでおすすめです。
ホルモン治療の必要性
即効性も高く効果的なホルモン治療ですが、病気や副作用に対するリスクも存在します。
本当に自分のニキビ治療に、ホルモン治療が必要かどうかきちんと見極める必要があります。
自宅でスキンケアや、食生活、睡眠など日常生活を見直し、皮膚科やクリニック、エステでニキビトラブルを相談し、どうしても解決できなかった場合の最終手段としてホルモン治療を考えてみてください。
安易な考えでホルモン治療を行うと、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
十分にメリット、デメリットも把握した上で治療の必要性を考えてください。