妊活中や妊娠中に摂取したい成分といえば「葉酸」。その葉酸を手軽に摂取できる葉酸サプリの愛用者も増えているようです。
しかし、中には葉酸サプリを飲んだら頭痛が起こったという経験者もいるようです。こういう場合には、葉酸サプリを控えた方が良いのでしょうか?
葉酸サプリには頭痛を起こすような成分は含まれていない
片頭痛の原因は、脳の中の血管が腫れて痛みを起こしていることです。
一口に頭痛と言っても、原因は様々なので特定するのは難しいようですが、食べ物の成分が、脳内のバランスに影響し、頭痛を引き起こしていることもあります。
頭痛に悩んでいる方は、気を付けてみるといいかもしれません。
①チラミン
赤ワイン
チーズ・漬物・味噌などの発酵食品
チョコレート
②グルタミン酸ナトリウム
カップラーメンなどのインスタント食品
ポテトチップスなどのスナック菓子
味の素などの旨味調味料
③亜硝酸ナトリウム
ベーコン、ソーセージ、ハムなどに使われる添加物
これらの成分は、血管の収縮を起こし、頭痛につながるということが分かっています。葉酸にはこのような成分は含まれませんので、葉酸が頭痛の直接の原因と結びつけることはできません。
医薬品ではない葉酸サプリには副作用を引き起こすような成分は配合されていない
葉酸を飲むことで頭痛が引き起こされてしまうほど、身体に大きな変化をもたらすということになると、サプリではなく、医薬品ということになってしまいます。
そもそも葉酸とは、ビタミンB群の一種でビタミンB12と一緒になって赤血球を作る栄養素です。
そのため「葉酸」は造血ビタミンとも言われています。このことからも、あまり頭痛とは関係なさそうに思えます。
妊娠中はちょっとした変化で体のバランスが崩れやすく、頭痛が起こる可能性も
女性は男性に比べて頭痛を起こしやすいです。なぜかというと、生理周期によってホルモンのバランスに変化が起こるからです。
このホルモンバランスの変化が頭痛につながってしまうこともあります。
特に妊娠ともなると、大量のホルモンが分泌され、ホルモンバランスの変化が大きくなるので、頭痛に悩まされることも多くなります。
妊娠初期の頭痛の原因
80%の妊婦が頭痛に悩まされた経験があるというデータがあります。特に悪阻がおさまったと思ったら、頭痛に悩まされるようになったという声が多いです。
黄体ホルモンの分泌
妊娠中の頭痛の原因のひとつとして、黄体ホルモンが分泌されることが挙げられます。黄体ホルモンは、胎盤を作るために妊娠初期のころにたくさん分泌され、妊娠16週目にはおさまります。
このホルモンが分泌されるのと一緒に、血管が拡張されるので、脳の血管も一緒に拡張されます。そうすると、周りの神経が圧迫されてしまい、頭痛が起こると言われています。
鉄分の不足
鉄分はヘモグロビンを作る素になります。ヘモグロビンは酸素を血液にのせて体中に運んでくれます。
これがどういう仕組みで頭痛につながるかというと、
鉄不足
↓
体の酸素が不足
↓
足りない分の酸素を送ろうとするため
血管を拡張する
↓
神経圧迫
↓
頭痛
という流れになります。
妊娠中は血液の量が通常時の1.5倍に増えるので、その分多くの鉄分が必要になります。
普段は貧血と無縁だったという人でも、貧血になりやすくなりますし、胎児の成長にも必要なのもなので、意識的に鉄を摂ることが必要になってきます。
妊娠中は、1日に15gの鉄分が必要です。
葉酸を飲んだことによる頭痛は心配いらない?
これまで見てきたように、頭痛の原因となる成分や、血管を拡張するといったことは葉酸自体にはありません。
でも、葉酸を飲んだことによって、頭痛が起こったという経験談がたくさんあるのも事実です。それはなぜなのでしょうか?
葉酸を飲んで起こる頭痛は「好転反応」かもしれない
葉酸は造血ビタミンと言われるだけあり、血液の流れに関係しています。
好転反応というのは、身体が良くなるために変化していく過程で、一時的に身体にとって悪いことが起こったように見えることです。
もし、好転反応であれば、その状態がずっと続くということはなく、徐々に治まってきますので、心配しなくても大丈夫です。
葉酸を摂取したことにより血流が良くなるため一時的に頭痛が起こる
葉酸を摂取したことで、血がたくさん作られるようになると血流がよくなります。血流がアップしたことで、一時的に頭痛を感じることもあるようです。
他にも、体内の悪い物質が血液を通って体外に押し出すときに、頭痛を感じる人もいるようです。葉酸で血がたくさん作られることで、そのような機会がたくさん作られてしまったのかもしれません。
どちらとも、体にとっては良いことなので、特に心配する必要はなさそうです。
心配なら取りあえず葉酸サプリをやめて医師に確認をとる
妊活中でも妊娠中でも、葉酸サプリは病院でも勧められるほどなので、飲み続けたいものではありますが、そのせいで体調が悪くなってしまうというのでは、元も子もありません。
他にも原因があるかもしれないので、お医者さんに相談してみるのが安心です。
もし、葉酸サプリが体に合わなくても、食品から摂取することもできますので、自分に合った方法を探してみましょう。
葉酸を多く含む食品
ほうれん草 100㎍
ブロッコリー 120㎍
かぼちゃ 75㎍
こちらは全て100gのものを茹でた時の葉酸の含有量です。
葉酸は水溶性のビタミンで、調理すると半分は流れてしまうので注意が必要です。
その他にも
いちご、アボカド、バナナ、きのこ類にも葉酸は含まれますが、青野菜には敵わないようです。
葉酸サプリの葉酸以外の成分に注意
葉酸サプリをネット検索してみたり、ドラッグストアで探してみても、葉酸+αの成分で売られているものがほとんどです。
葉酸は、単体で摂取するよりも、他の栄養素と組み合わせることで、効果的に働いてくれます。
とくに、
ビタミンB6
ビタミンB12
ビタミンC
鉄分
カルシウム
を含んだものだと、造血作用もよりアップするのでおすすめです。
それから、他にサプリを選ぶ基準として「GMPマーク」がついたものがおすすめです。
GMPマークというのは「Good Manufacturing Practice]の略で適正製造規範のことです。
このマークがついているものは、原料の入荷→製造→出荷のすべての段階で、一定の品質の管理基準を満たしたものにだけ付けられます。
妊活、妊娠中ともなると、お腹の子供にも直接影響してしまうので、安心なものを選ぶのは大切なことです。
また、サプリの成分表示を見てみると、細かく成分表示が載っています。
そのなかにある「~エキス」「~抽出物」というのは具体的に何が含まれているか分からないので、あまりお勧めできません。
葉酸自体が副作用を引き起こすのではなく、配合されている他の成分が原因かも
葉酸サプリの成分表を見たときに、食品の名前以外のものは添加物です。
この添加物が頭痛の原因になっている場合があります。本来なら食事から葉酸をとれたら一番よいのですが、葉酸は水溶性のビタミンなので、熱や水に弱く調理すると半分が失われてしまいます。
さらに食品から直接摂取する葉酸は、ポリグルタミン酸型葉酸といい、小腸などでモノグルタミン酸型葉酸に変換されますが、この変換されるときに葉酸は50%も減ってしまいます。
そのため、葉酸サプリは初めからモノグルタミン酸型葉酸の状態で作られ、効率よく体に吸収されるようになっています。
ただ、同じモノグルタミン酸型葉酸のサプリでも、葉酸の成分を天然由来でつくったものと、合成化学物質からつくっている場合があるので、天然由来のものを選ぶとより安心です。
もし薬を服用しているのなら、飲み合わせに問題ないのかを医師や薬剤師に相談する
このように一口に葉酸サプリと言っても、さまざまな成分が含まれていることがあります。薬を服用している方は、飲み合わせに問題がないのか、サプリの成分表を直接見てもらうと安心です。
葉酸サプリは過剰摂取にならないよう注意する
せっかくの良い効果のある葉酸も過剰摂取になってしまうと、体に良くない効果が表れてしまうこともあります。
1日の葉酸の適正量
妊娠前~妊娠初期 400μg
妊娠中期~後期 240㎍
と言われています。妊娠したら葉酸飲まないと!と思っている方も多いようですが、厚生労働省がサプリでの葉酸摂取をすすめているのは妊娠1カ月から3カ月までの間のみです。
妊娠5カ月以上になっても、毎日葉酸を多くとりすぎると、胎児が小児喘息を患いやすくなるというデータがあるそうです。
また、海外のサプリだと一粒で800㎍あるものもあり、自分の適正量にあったサプリを選ぶことも重要です。
葉酸サプリを過剰に摂取することで副作用も起きやすくなる
葉酸は妊活・妊娠中ではなくても、体には必要な成分なので、意識して毎日摂るのが理想です。
その目安としては200~250㎍とされています。ちなみに1㎍=0.01mgですので、0.2mgほどということですね。
1000μg以上摂取すると、過剰摂取となり、発熱、じんましん。呼吸障害、吐き気、むくみ、不眠といった症状が現れることもあるそうです。
サプリは医薬品ではないが定められた量を正しく飲むことが大切
葉酸は妊娠前から妊娠初期にかけて、サプリの飲用を厚生労働省がすすめているほど、重要な成分です。
しかし、気を付けなければいけないのは、葉酸は水溶性のビタミンなのでで、一度にたくさん摂取したからといって、体に蓄えておくことはできません。毎日適正量を続けて飲むことが重要です。
まとめ
葉酸は、細胞の成長や修復に必要な栄養素で、不足すると胎児の奇形に繋がることが分かっています。
生まれてくる赤ちゃんのためにも、葉酸を上手に生活に取り入れていきたいですね。また、妊娠初期の頭痛に悩まされたとき、産婦人科でサントリーの「GREEN DA・KA・RA」をすすめられました。
勧めて下さった産婦人科の先生もなぜ頭痛に効くのかは分からないそうですが、多くの妊婦さんの頭痛に効果あったそうです。妊娠による頭痛に悩んでいるかたは、一度試してみてもいいかもしれません。